かすべとは「ガンギエイ」という 水族館などでお馴染みの「エイ」の一種であり、地域によっては「かすぺ(KASUPE)」とも呼ばれています。
「ガンギエイ」は、そのほとんどが北海道で水揚げされており 「メガネカスベ(真カスベ、本カスベ)」と 「ドブカスベ(水カスベ)」とがありますが、「真カスベ」 「本カスベ」と売り場で表記されている「メガネカスベ」の方が 「水カスベ」よりも味が良く、当然ですが 値段も少々高くなっています。
北海道のスーパーや鮮魚店などでは この「ガンギエイ」のヒレ部分が 晩秋から早春までの旬の時期を中心に売られており、ほとんどの場合 皮が剥かれ 切り身の状態に加工された商品が並べられています。
北海道以外でも 青森、秋田、山形など 日本海側の東北地方でも食べられていて、かすべの名称は同じなのでありますが、北海道が「生かすべ」を調理して食べるのに対し、東北では保存の利く「干しかすべ」を戻して食べるのが主流になっています。
近年では それ以外の地域でも スーパーなどで徐々に取り扱うようになってはきましたが、全国的にはまだまだ浸透していないようでありまして、海産物としてはそれほどポピュラーにはなっていません。
道外では 乾物である「エイヒレ」の方がお馴染みで、一般的には酒の肴とし親しまれており、クセになる味として知られ 好きな方も多いのではないのでしょうか。
北海道では 乾物になる前の、生の「エイヒレ」、すなわちかすべの方がポピュラーでありまして 代表的な食べ方が 煮付けであります。
産地であるがゆえに新鮮なものが手に入りやすく 「カレイの煮付け」と同じようなシンプルな調理法で作れる事もあり 道内の多くの家庭で親しまれている定番料理であります。
カレイや平目のヒレ部分で ジューシーな味わいが人気の「エンガワ」と同じ部位で作るのがかすべの煮付けでありますから、同じようにとろける味わいが特長であり、そこに 軟骨のコリコリ食感が加わって 歯と舌で楽しめる食べごたえがなんとも美味しい一品であります。
【かすべの煮付けの作り方】
材料 | |
真かすべ(水かすべ) 200〜300c 醤油 大さじ3 酒 大さじ3 砂糖 大さじ1 みりん 大さじ1 水 200cc ショウガ 薄切り1片 | |
作り方 | |
1. | かすべを水でサッと洗っておきます。 |
2. | フライパンか鍋に 水、醤油、酒、砂糖、みりん、ショウガを入れ、沸騰したら、かすべを入れます。 |
3. | 再び沸騰してきたら灰汁をとり、弱火にして落とし蓋をします。 |
4. | 10〜15分ほど煮たら出来上がりです。 |
かすべは鮮度が落ちると独特のアンモニア臭が出てきますので なるべく新鮮なものを使っていただきたいですし、味の良さが格段に違いますので、水かすべより真かすべの方が 断然おススメです。
味付けについてはあくまでもオリジナルですので、調味料の分量を調整して好みの味にしてください。
冷めても美味しいですし、ひと晩寝かせて煮汁を浸み込ませた ゼラチン質タップリの「煮こごり」にしても美味しいです。
身は白身魚らしい淡白な味わいで、嫌な匂いやクセがなく、プルプル とろとろのシットリとした口当たりと、ふっくら解れる食感、そして、軟骨のコリコリとした歯触りや噛み応えが 他の魚では味わえない かすべの煮付けの美味しさであります。
そのとろけるような食べごたえからも分かるように、たっぷりと含まれたコラーゲンによる美肌効果や、コリコリ軟骨のカルシウム成分による健康効果も期待できます。
醤油ベースの甘辛いかすべの煮付けは 他の煮魚と同様 ご飯のおかずとしてもピッタリですし、日本酒や焼酎で一杯やるときの肴としても絶品であります。
庶民的な価格で売られている かすべの最も一般的な食べ方が煮付けでありますが、それ以外にも 新鮮なものであれば「お刺身」として、また ザンギのごとくカラッと揚げた「から揚げ」や 酢に漬けて作る「ぬた」などの和え物、ゼラチン質プルプルの「煮こごり」、香ばしい風味の「みそ焼き」など 幅広い料理法で 美味しく食べられます。
名前の由来を調べてみると 食用として利用部分が少なく、煮ても焼いても美味しくない「魚のかす」という意味合いから、かすべ(糟倍)と呼ばれるようになったとされていますが、実際に食べてみると そのマイナスイメージの語源が かすべという素材に対して とっても失礼な事だと言うことが身に沁みて分かるはずで、数ある高級白身魚にもひけをとらない 北海道名産の一級海産物であります。
家庭料理としても居酒屋の一品料理としても人気で、値段が安いくせに「なまらおいしい」かすべの煮付けは 数多の海の幸を食べ尽くしてきた道民が 古くから愛してきた歴史ある庶民派の”B級グルメ”であり、「北海道の定番郷土料理」であります。
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