
まりもようかんは、道東にある阿寒湖の湖底に生息するマリモに似せて作られ、主に阿寒湖の温泉街や周辺で販売されていて、古くから北海道土産として定着している和菓子であります。
製造元がいくつかあり、それぞれ独自のネーミングで販売していますが、使っている原材料に若干の違いがあるだけで、小さな球形のゴム風船の中に緑色の羊羹を充填し、マリモそっくりに作られているところは共通しています。
緑色のため原材料に抹茶が使われていると勘違いされやすいのですが、抹茶は全く使われておらず、着色料で緑色に染めているだけであり、味にはなんら影響がありません。
まりもようかんの最大の特徴はその食べ方にあります。
まず皿などの容器にまりもようかんを置き、「つまようじ」で一突き「プスッ!」と刺すと、包んでいるゴムが一瞬で「プルン!」と剥け、同時に「つまようじ」が中身の丸い羊羮に刺さり、そのまま手間いらずで食べることができます。
さらに言うと「つまようじ」を刺す時にチョッとした快感も味わえたります。
手に持ったまま「つまようじ」を刺して食べようとすると、中身を落とし残念な事になる確率が高いので、特に初めての方はその点に十分注意してください。
ちなみに・・・
本家である生き物のマリモ(毬藻)は、北半球の湖沼に広く分布し、球状の集合体を作ることで知られている淡水性の緑藻の一種であり、中でも阿寒湖のマリモはその美しい姿や希少性から1952年に国の特別天然記念物に指定されました。
近年、環境の変化からなのか、もしくは無計画な採取のせいか、マリモの個体数が各地で減少しており、絶滅危惧種として環境省のレッドリストに揚げられているほどの危機的な状況でありますが、観光産業が生命線である阿寒湖周辺では、生態に不明な点が多く「謎の生物」と称されたりしているマリモの地道な調査研究が永年にわたりコツコツと行われ、試行錯誤しつつもマリモ保護のために、弛まぬ取り組みが続けられています。
正直なところ甘党ではないので、間違いなく日本茶などの飲み物が必要だと思い大きめの湯呑みにタップリ用意していたのですが、食べてみると思いのほか食べやすい甘さで、後を引くしつこい感じもあまりなく、用意した日本茶もほどほどの量で済みました。
しかしながら 味に関してのこれと言った特徴はとり立ててなく、メーカーによって若干の違いがありつつも、いたってシンプルかつ普通の味わいの羊羹であります。
つまり、そのマリモのような外観と 「つまようじ」を刺して「プルン!」とパッケージを剥く瞬間の気持ちよさがまりもようかんのウリであって、食べた時の「これぞ北海道!」的なインパクトやオリジナリティーには少々乏しく、道民の本音で言いますと、美味しさそれなりで無難な北海道土産として失敗したくない時にオススメの、”らしさ”が滲み出ている「北海道”B級”銘菓」ということであります。
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posted by nadenadeboy at 22:35
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