
生ラムとは、読んで字のごとく「生」のラム肉であります。
いわゆる北海道の代表的B級グルメである名物肉料理「ジンギスカン」のメイン食材でありますが、こと「生」のラム肉となるとその歴史は浅く、スーパーや精肉店などで生ラムが販売され出したのは、おそらく20年くらい前からだと思います。
それまで、一般的に食べられていたのは「味付けジンギスカン」も含め、「冷凍」の ラムおよびマトンのロール肉であり、「生」に関してはコストの高い道産の羊肉が、高級レストランやホテルなどへ流通しているのを除けば、店先で売られているラムやマトンの商品形態は「冷凍」が当たり前でした。
それまでの「ジンギスカン」と言えば、道産子にとってはご馳走の部類に入るほどの”大っ大っ好物”でありながら、道外の方の評判では 道産子が気にならないその独特のニオイが受け入れられず 「ジンギスカン文化」が浸透しない要因となっていました。
結局のところ「北海道名物」と謳っていた「過去のジンギスカン」で使われている冷凍の羊肉はオーストラリアやニュージーランドからの輸入物であり、冷凍で到着したモノを一度解かしてロール状に成形し再凍結した製品であります。
鮮度の面からみると大幅に落ちているのは一目瞭然で、その抵抗感を生んでいるニオイの原因はそこにあります。
そんな中、真空チルドパック技術の進歩と近年の物流の発達により、安全に「生」のラム肉を日本国内で食べる事が可能となり、もちろんコスト面からも消費者が手軽に買える価格で店頭販売できるようになりました。
生ラムとしてお店に並んでいるのは、主にラム肉の中でも比較的安値で取引されている肩肉、いわゆる「ラムショルダー」であります。
唯一とも言うべき難点は、「生」であるが故にカチカチの冷凍肉に比べて硬さがなく、店頭や加工業者のスライサーでは能力的に薄くスライスすることが不可能で、従来の冷凍ロール肉ジンギスカンより厚くなってしまうことです。
しかしながら、安い部位の「ラムショルダー」であり「肉厚」のスライス肉であるからと言って、けして噛み切れないほど硬いというわけではなく、「仔羊」だからこその柔らかい噛みごたえで、むしろジューシーさの点からみると薄くスライスされた冷凍ロール肉より数段上です。
BSE問題が世間を騒がしていた当時、その代替えとして「北海道名物」である「ジンギスカン」が注目され、改めてその美味しさが全国的に広まって行き、東京などでも専門店が数多く出店されるなど、一躍「ジンギスカンブーム」の到来となりました。
が、現在ではメディアなどで取り上げられることも少なくなり、時間の経過とともに落ち着きを取り戻しつつあるように感じます。
「ぜんぜんくさくな〜い!」
なんて、道外客のコメントをテレビで見る事も当時は多かったのですが、それは昔の「ジンギスカン」とは違う、ニオイの少ない生ラムの功績なのであります。
お店で価格を見ても冷凍ラムロールと生ラムとではあまり差がなく、家庭で「ジンギスカン」をする際にどちらを選択するかは個人の好みではあり、私自身も迷ったりしますが、ニオイが気になるという方、ジューシーなラム肉を食べたいという方には生ラムの「ジンギスカン」がおススメです。
また、「ジンギスカン」の他にも「唐揚げ」や「炒め物」にも使えますので 「ジンパ」だけではなく、生ラムをもっと普段の献立に活用して、「羊肉文化」がもっと広がればと願っています。
スポンサード リンク
🏠
posted by nadenadeboy at 02:58
|
Comment(0)
|
ジンギスカン
|

|