今冬は道内各地で雪の降り始めが遅く、あまり雪の降らない冬になりそうだとついつい油断していたら、初雪が降ったと思った途端 連日のように一気に降り続けて、アッというまに積雪量も日本海側を中心に平年を上回ってしまい、ゴールを待たずに早々と「大雪の冬」確定となりました。
北海道の冬に雪が降るのは当たり前のことであり、生まれてから現在の年齢になるまで毎年付き合ってきたモノであり慣れっこにはなってはいますが、なんだかんんだ言ってもやっぱり日々生活していく上で厄介なことも多く、時には己の身の危険すら感じることも幾度かあったりしました。
しかしながら、そんな厄介者である雪がたくさん降り積もるからこその北海道なわけで、そこで生み出される恵みも数えきれないほど多種多彩、生産者も消費者も様々な形でその恩恵に預かっていることは今さら言うまでもない事実であり、だからこそ多くの人々がこの大地に居を構え根ざしているのだろうと思います。
そして、そんな北海道の自然がもたらしてくれる雪の能力を、余すところなく存分に活かした代表的食材が雪の下キャベツ(越冬キャベツ)なのであります。
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雪の下キャベツは道北の上川地方北部の内陸にある 夏は30度、冬はマイナス30度と寒暖の差が激しいマチ「和寒町」が元祖と言われています。
昭和43年の秋、キャベツの市場価格が暴落したため、和寒町の生産者は仕方なく丹精込めて育てたキャベツを畑に放置するしかなく、いつしか冬になると、空しさを埋めるかのごとくその上に雪が降り積もりました。
ところが年が明けると一転、野菜が品薄となってキャベツの価格が高騰し始めたため、もしやと思い畑の雪を掘りおこしてみると、放置しておいただけにもかかわらずそこには見た目に新鮮で青々としたキャベツが・・・
試しに食べてみると秋の収穫期よりも甘味が増していたため、これはと思い卸売市場へ出荷してみると評判は上々、地場産がこの時期にあることも然ることながら、なによりその美味しさに驚かれ、野菜が品薄だったこともあって思いのほか高値で取引されることとました。
その後、 「和寒町」では 昭和45年の稲作の減反を契機として、雪の下キャベツの本格的な生産を進め、品質の安定に努めた結果、和寒の名産品として各地に少しづつ知れ渡るようになって行きました。
外気温がマイナス30度の極寒の中でも、雪の下は0度前後の冷蔵庫の様になっており、そこではキャベツ自身が凍結しないように自ら糖度をあげ、タンパク質がアミノ酸に変化することにより甘みが増したキャベツへと熟成されて行きます。
通常のキャベツの糖度は7〜8度ですが、雪の下キャベツの平均糖度は10度で、芯に近づくほど糖度が上がり、最も高い部分の糖度が約14度になるモノもあり、中には通常のキャベツの約2倍の糖度がある、もはやフルーツに匹敵するモノさえあります。。
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普段から食べているキャベツを使う料理でそのパワーアップされた甘みを感じられるのはモチロンのこと、より雪の下キャベツの甘みを感じられる食べ方は「生」であり、適度な大きさにザク切りした雪の下キャベツに軽く塩を付けて食べると、バリバリッとした心地よい歯ごたえとともに、塩味によって際立ったごくごく自然で豊かな甘みが口の中に広がります。
一度食べると 当たり前に食べていた通常のキャベツが青臭く思えるほど味の違いがハッキリと分かります。
このザク切り雪の下キャベツの楽しみ方としては 塩ダレ、みそダレ、塩コショウ、各種ドレッシング、塩にこだわって岩塩・・・
現時点で挙げられるのはこんなところですがシンプルな素材であるがゆえに様々な調味料に適合しやすく、発想次第で味付けのバリエーションも広がっていくと思われますので、自分なりにあれこれ試してみるのも面白いでしょう。
ロールキャベツ、回鍋肉、にしん漬けや浅漬けなどの漬け物、千切りキャベツ、鍋もの、野菜炒め・・・・・
挙げればキリがないほどキャベツを使うメニューがあって、おそらく野菜のなかでも各家庭の食卓に登場する機会はトップを争うくらい頻繁でありながら、ややもすると影に隠れた引き立て役が多いように感じます。
しかし、それほど主役級として見られていない ”縁の下の力持ち”的ないつものキャベツを、北海道の生産者が、手がかじかむほどの 「しばれる」 極寒の時期に雪の中から掘り出してくれた 「甘み」 「うま味」 を増した雪の下キャベツに変えただけで、料理が上達したかと勘違いしてしまうほど、あらゆる普段メニューの美味しさを劇的にアップさせてくれちゃいます。
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