日に日に強くなる陽射しと共に少しづつ暖かさを感じるようになり、あれこれと悩まされた雪も急激に溶けて 白一色だった景色もめっきり減り、チラホラと見える緑が徐々に広がりはじめ 漂う空気、ニオイも変化し、寒さ厳しかった北海道にもいよいよ”春”が到来。
同じ頃、本州方面では花見シーズンなんてとっくに過ぎている時期なのに、遅ればせながらも道内における桜前線の話題が出始めると、待ちに待った”北海道産アスパラガス”の季節です。
我が家の小さな畑にもニョキニョキとその姿を見せ、割合は少ないですが”高級レストラン”で出されても恥ずかしくないような立派なモノも1〜2本あったりします。
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アスパラガスの産地としては長野や長崎も、収穫量などから見ると北海道にヒケを取らない名産地なのですが、アスパラガスと言えば北海道となったワケは、全道各地で栽培されていて どこの産地のモノもハズレのない美味しさであることもあるのでしょうが、推測するに おそらく日本国内におけるアスパラガスの発祥、歴史に起因していると思われます。
大正時代の1922年、寒くても栽培が可能な野菜を探求していた下田喜久三が、欧州からアスパラガスの種子を集め、後志地方の岩内町で新品種の試験栽培に成功し、隣町の共和町の農場で栽培をスタートさせました。
岩内町ではその後、ホワイトアスパラ缶詰工場の「日本アスパラガス株式会社」が設立され、東洋初のアスパラガス加工品製造の工場として操業を開始しました。
が、現在では主要な事業内容が”清涼飲料水の製造(PET・缶・ボトル缶)”となっており、社名にアスパラガスが存在しつつも、中身は大きく変化しているようです。
むしろ道内のアスパラガスを語る上で絶対に外せないマチが岩内町と同じ後志管内の喜茂別町でありまして、昭和時代に入った1929年、羊蹄山山麓で本格的に栽培が開始され、「朝日アスパラガス缶詰株式会社 (現在のクレードル興農)」が1932年にアスパラガス缶詰生産を開始しました。
岩内町周辺よりもアスパラガスの生産に適した地域であり、厳密に言うと発祥の地ではないのかもしれませんが、アスパラガス生産の規模拡大に最も貢献した地域の証しとして「日本のアスパラガス揺籃の地」の碑が喜茂別町に建てられています。
かつてはホワイトアスパラの缶詰が主流で、グリーンアスパラの存在自体あまり知られていませんでしたが、流通環境の向上とともに、新鮮で瑞々しく食感の良いグリーンアスパラが出回るようになると、道内はモチロン道外でも好んで食べられるようになって、アスパラガス生産の主役が”ホワイト”から”グリーン”へ徐々にシフトして行きました。
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その昔、薬草として使われていたユリ科の多年草であるアスパラガスは 滋養強壮、疲労回復の効果がある、栄養ドリンクにも使われているアスパラギン酸をはじめ、抗酸化物質のグルタチオン、動脈硬化や高血圧の予防効果があるルチン、ビタミンA、B、C、E、葉酸などのビタミン類、とにかく豊富な栄養素を含んでいます。
アスパラガスの食べ方ですが、主流である「グリーンアスパラ」は より新鮮なモノをサッと茹でてマヨネーズか酢みそをかけて、バター等で炒めて味は塩コショウ、天ぷらやフライなどの揚げ物にしたり、そしてジンギスカンでも食べたりしますし、もはや調理法、味わい方は無限大です。
缶詰に加工されることの多い「ホワイトアスパラ」ですが最近では生も店頭に並ぶようになってきていますし、近年登場した「ムラサキアスパラ」は、目に良いアントシアニンを含むことから紫色であり、甘味が強く、シャキシャキの歯ごたえで、生のままスライスしてサラダに入れて食べることができます。
店頭では手頃な価格の海外産アスパラガスも多く売られていて、値段の安さからついつい買って食べたりしますが、当然のごとく鮮度が落ちていますし、食感、甘味とも満足できるモノではないので、特に旬であるこの季節ほど ぜひ北海道産のアスパラガスを食べていただきたいです。
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