北海道の正月料理であり、特に海に面した漁師町で古くから定番になっていて、必ず食べないと年が越せないと言う方も多いのがくじら汁です。
「クジラがくるとニシンが岸に寄る」と言われ、クジラを漁の神と崇め、正月に大漁への願いを込めて作られ、食べられていました。
ニシン漁で栄えた江差あたりの道南地方が発祥で、その後日本海沿岸で広く食べられるようになったと言われています。
が、漁業が盛んな町だからなのか、道北のオホーツクに面した町出身の私にとっても小さい頃から食べていた懐かしの味であります。
さすが年末だけあって、普段は売られていない塩くじら(ミンク鯨塩皮)が近所のスーパーにあり、しかも、思いのほか安く売られていたので、久しぶりにくじら汁を作ることにしました。
<材料>
塩くじら・人参・大根・ワラビ・玉ねぎ・豆腐 ・かまぼこ フキ・細竹・ちくわ・こんにゃく・椎茸・ごぼう・だし昆布・しょう油
<作り方>
1.塩くじらは薄くスライスし、他の材料は一口大の大きさに切ります。
2.塩くじらを熱湯で茹でて、塩抜きをします。 しっかり塩抜きしたい場合はお湯を取り替えてもう一度茹でます。
3.塩くじら・玉ねぎ・豆腐・しょう油以外の、だし昆布を含む他の材料と水を鍋に入れて火にかけ、沸騰させます。
4.沸騰したらだし昆布を取り出し、大根・人参などの硬い野菜に火が通ったら、3で残しておいた材料を鍋に入れて少し煮込みます。
5.しょう油で味を整えてさらに煮込み(途中で火を止めておいても良い)、具材に味が浸み込んだら出来上がりです。
上記のレシピはあくまで一例で、材料や作り方に関しては地域や個々の家庭によって違いがあり、食べた事はありませんが、味付けが”みそ”だったり、ダシに”煮干し”を使ったくじら汁なんかもあるみたいです。
なんとなく覚えのある香りを感じつつ、しょう油の加減を自分の舌で確認しながら少しずつ入れて行くと、まさにイイ塩梅のほど良い感じになり、あとは具材に味が浸み込むまでしばらくはガマンの時間。
2〜3時間経過したところでそろそろ良いだろうと判断し、器に盛っていざ食べてみると、我ながら上々の出来上がり。
あれだけ脂っぽくてクドそうな感じの塩くじらのダシが出ているにもかかわらず、思いのほかサラッとした味わいであり、そのうえ野菜がタップリ入っているので、とてもヘルシーな料理なんだと言う事を改めて感じさせられました。
くじら汁のルーツについては最初に書いたとおりで間違いないとは思いますが、お正月ならではの豪華でバラエティに富んだご馳走により、ついつい食べ過ぎちゃったりなんかして、いささかお疲れ気味の荒れた胃腸に、野菜中心で具だくさんなところがとっても嬉しく、ホッとする癒しの料理である事が、北海道の「ハマ」の郷土料理として広く定着して行ったホントの要因のような気がします。
とかくお正月料理としてピックアップされがちなくじら汁ですが、塩くじらさえ手に入ればいつでも作る事ができますので、時期を問わず、食べたくなった時に作っていただきたい、栄養満点で美味しい健康食がくじら汁です。
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