道外の方に驚かれる北海道特有の一品であり、目にも鮮やかなピンク色が特徴でありつつも、その色彩に馴染みのない方には異様な印象を与える事も多いのですが 道民にしてみると「赤飯」なる料理は、これがごく普通のモノであり、その色彩豊かな見た目以上に、よりインパクトを与え、不思議に思われるポイントは、そこに入っているのが、広く一般的な「小豆」ではなく、「あまぁ〜い 甘納豆」が あちこちに見え隠れしているところであります。
祝い事に用いられることの多い、いわゆる一般的な「赤飯」は、「小豆」を使用し その煮汁の色を利用して色づけをする調理法が全国的に普通の作り方なのでしょうが、ここ北海道で「小豆入りの赤飯」を目にする機会はほとんどなく、断然 「甘納豆」が入り、食紅で色づけされた甘納豆赤飯の方が、あらゆる場面に登場し 北海道のスタンダードになっています。
手作りから市販品に至るまで、道民の味覚に浸透し、定番で最もポピュラーな「赤飯」こそ甘納豆赤飯と言えるでしょう。
正直なところ「小豆」を使った「赤飯」を初めて目の前にしたとき、あまりに赤色が控えめだったために 北海道で「黒豆」を使って作り 弔事に振る舞われる「黒飯(こくはん)」と勘違いしてしまうほどでした。
家庭で手作りする場合において、今や文明の利器である 炊飯器、電子レンジ、圧力鍋 などを使って作る方法も考案されているようですが、私の実家では昔から蒸し器を使って作っていたので、ごくごく簡単に、蒸し器で作る我が家流の甘納豆赤飯を紹介します。
<材料>
・もち米
・ 塩
・ 水
・食紅 適量
・甘納豆 お好みの量
・ごま塩
<作り方> | |
1. | 大きなボウルか鍋にもち米を入れて水をひたひたに注ぎ、加減しながら好みの色あいになるように食紅を入れて、3〜4時間程度おきます。 |
2. | 時間がたったらザルにあけて水切りをし、同時に蒸し器を火にかけて、すぐ蒸せる状態にしておきます。 |
3. | 蒸せる状態になったら、もち米を蒸し器に入れて、”やや硬め”までふかします。 |
4. | ふかしたもち米を大きめの容器に移し、適量の塩と甘納豆を入れて、全体にまんべんなく混ぜ合わせます。 |
5. | 混ぜ合わせたら再び蒸し器に移して、程よい軟らかさになるようさらに約2時間ふかし、好みの量のごま塩をふって出来上がりです。 |
甘納豆だと、「小豆」のようにもち米に色が付きませんので、食紅を入れて鮮やかなピンク色の見た目に仕上げるのが北海道ならではの作り方であり、食欲をそそる「赤」が映えた、文字通りの「赤飯」が出来上がります。
もち米自体の甘さとプラスされた塩味をベースに「甘納豆」特有の甘味と「ごま塩」の香ばしさが加わり、おかず等がなくても単体で美味しく食べられるのが甘納豆赤飯の特長であります。
通常のご飯の代わりとしてよりも、味のイメージは和菓子に近く、食事とおやつの中間のような、味と満腹感を満たすことができる 見方によっては優秀な存在と言えるでしょう。
甘納豆赤飯の調理済み市販品は、スーパーの惣菜コーナーでパック詰め商品として売られていますし、コンビニではおにぎりコーナーに「赤飯おにぎり」として並んでいるのが、道内において日常の光景となっていますが、市販品に必ずと言って入っているのが真っ赤な「紅しょうが」であり、これは私だけかも知れませんが、この「紅しょうが」の赤色が付いた部分の味が、ピンポイントながら酸味と甘味のバランスが妙に美味しく、買い食いの際に最も貴重に感じる稀少スポットなのであります。
甘納豆赤飯のルーツについては光塩女子短期大学の創設者である南部明子先生が、昭和20年代後半、「小豆の赤飯」に「甘納豆」を入れて作ってくれた母親の味が基となって自ら考案し、講習会などで広めたという説も数多くある中の一説でありますが、道内の他の地域、もしくは青森、長野でもそれ以前から食べられていたという証言もありまして断言は難しく、むしろ自然発生的に誕生し、たまたまブレイクした地域が「北海道の大地」であったという一品のような気がします。
道外の方には違和感いっぱいで、なんとも不思議な味に思われる事も多いのでしょうが ”おはぎ”や”ぼたもち” ”おしるこ”や”大福”などと同様の「甘味」と「もち米」のコラボにより構成された絶妙の一品と捉えていただければ 抵抗のある方でも いくらか納得して食べてもらえると思います。
「甘納豆」がゴロゴロっと入っていて、目にも鮮やかなピンク色の甘納豆赤飯こそが 北海道において王道の「赤飯」であり、道民にとってみると古くから食べてきた馴染みの味で、感覚的に「これが普通」と思う、最もポピュラーな「赤飯」なのであります。
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